« ノーミスで (為替も) | トップページ | どっこいしょ »

2006年5月16日 (火)

成熟債権国へ

5月16日(火)「成熟債権国へ、月例経済報告

本日発表される5月の月例経済報告では「回復している」が据え置かれ、バブル景気(1986-1991)越えとなり戦後2番目の回復の長さとなる。物価動向については「緩やかなデフレ状況が続く」でエネルギー価格上昇などの特殊要因を除くと消費者物価指数の上昇はまだゼロ%程度だからだ。昨日の福井日銀総裁の市場の早期のゼロ金利解除をけん制したことと結びつく。週末の第一四半期のGDP減速予想も視野に入っているのだろう。

 98年のアジア通貨危機のミニ版が新興国市場で起こっており、これが質への逃避でドル買いとなっているようだ。米国は意外な形トリプル安がトリプル高に。日本で言えばまだ輸出などの実需のドル売りが出ていないので投機筋や小鬼の自らのドル買戻しともなっているのだろう。ドル売りの回転が効きにくくなり、レジスタンスは5月8日のミニ窓開けでは110円80銭、111円50銭、G-7の窓開けでは112円だろう。5日移動平均線などの反転や、イントラデイのP&Fの向きなどの基本動作にも気をつけたい。

 昨日発表された3月国際収支では、予想通り所得黒字が貿易黒字を大きく上回った。「成熟債権国」(英米は債権取り崩し国)というそうだ。要はお金持ちの国ということだが実感はあるのだろうか。その利息配当を円に換えるならこれは長期的な円高要因だ。為替差損がいやならそのまま外貨で使える手立てを考えたい(外貨オンラインショップ?)。

 昨日のWSJのドル安黙認の記事は米国財務省の「強いドルを望む」で一蹴されたようだ。

 今夜は米国ではPPI、住宅着工、建設許可、鉱工業生産など多くの指標が発表されるが、原油などの商品価格下落の動きが止まらなければ影響が小さくなるかもしれない。P1000053 P1000049 P1000052

(写真 ルーティンのジムへ行く前のアップの散歩はこのあたりで。1日1回どこかの海を見ないと調子が悪くなるここ2年です。) 

|

コメント

すいません。用語解説希望です。
「小鬼」とはどのような投資家を指すのでしょう。

投稿: どろっぷ | 2006年5月16日 (火) 午前 11時33分

おはようございます。今朝ほど、書き込みをしたと思ってましたら、できてなかったようです。
 昨日のセミナーありがとうございました。
大変面白く、参考になりました。
 伊庭さんの話も面白く、これは、当事者なわけですから当然か。ご本人もクールでハンサムでかっこいいですね。
 部下の方は、ある意味、かなり、緊張されているかもしれませんが。
 FXにさわってからこちら、勝手に描いていた銀行マンのイメージがかなりくずれております。
 私は、ディトレードタイムを、ニューヨーク終わりの早朝か、夜、24時前までにしそうな感じです。もちろん、現状で、また、変わると思いますが。
 ポイント&フィギュアなど見ながらと思っております。
いずれも、注意点などございましたら、お暇にでも、ご教授いただければと思っております。
 どうやら私はヘタッピーの部類に入ってしまいそうな気配で、しばらくの間は、ディトレードも、バーチャルを併用しながらにします。ここ数日、バーチャルで練習してます。

投稿: こぎれがらす | 2006年5月16日 (火) 午前 11時46分

野村様
昨日セミナーに出席させていただきました。時間延長して貴重な体験談や為替の心得などお聞かせいただき大変役に立ちました。ありがとうございました。
さて、質問をしたかったのですが話が盛り上がって一人分の時間しか無くなってしまいましたね。もしできればこのブログコメント欄を利用して質問させていただけますでしょうか。時間のあるときにご回答いただければ幸いです。
1、伊庭さんのおっしゃっていた話の中で、もしかしたら違う意味のことかもしれませんが「例えば売り希望顧客ばかりの時に、自分だってできれば売りたいけど買い手がなくてまとまらなくてとても苦しい思いをすることがある」というところがありました。私も前から不思議に思っていたのですが、もし今回も起きているような急激な円高相場の時に、ほとんどのアナリストや新聞論調でも円高を予想していて、ほとんど全ての人がドルショート円買いに走ったら、約定しないのではないでしょうか。もちろん現実的には実需でドルを買わねばならない輸入業者などもいるわけですからありえないのでしょうけれども、あまりの円高であれば、輸入業者も下がりきるところまで待って円をドルに変えたほうが有利なわけですから、なかなかドル買いの指示はしないように思うのです。そんな時銀行ではどんなことが起きているのでしょうか?まさか買いたくないのに顧客のために銀行が肩代わりして買いを入れているなんてことはないでしょうが。 また外為どっとコムさんのような業者はそんな状況のとき銀行に対してどんなアクションをしているのでしょうか?
また、本で読んだのですが全員が売りを予想したときには反転するものだというのですが、どうしてでしょうか?全員が売りならさらに下げそうな気がするのですが・・・・。
2、今回のように実需の輸出筋が売り遅れているような場合(野村さんの言われる小鬼のような人たちだけが相場を作っている場合)、小鬼は実需ではないのですから売ったら必ずどこかで買い戻しをしなければ利益も(損になるにしても)確定できません。ということは同じ額だけ買い戻されれば、レートも元の位置に戻るということになるわけですよね。そして、昨晩野村さんのおっしゃったように、短期的には行ったり来たりしながらも、最後に残るのは日本でいえば日本の貿易黒字なのですから、円買戻し分だけ残り、長い期間で考えれば緩やかに円高になるような気がするのです。この点に関して何か根本的に抑えておかなくてはいけない観点はありますでしょうか。

長くなりましてすみません。昨日は大学野球時代の野村さんの江川投手との対戦の裏話、とても楽しく、そして懐かしく聞かせていただきました。また何かの折にその他の当時のエピソードなども聞かせてください。

投稿: mercy | 2006年5月16日 (火) 午後 11時17分

どろっぷ様

「小鬼」について

ここでは市場の私などを含めた市場の小さな投機筋、デイトレーダーなどという意味で使いました。実需ではなく小さい金額ながら、自分のポジションで売買する人です。

 本来は「チューリッヒの小鬼」からきています。英語では「The Gnomes of Zurich 」
かつては英国の閣僚がポンド売りを仕掛けるスイスの銀行家たちに怒りをこめて「チューリッヒの小鬼ども」という言葉を投げつけたことから始まっているようです。その後もドルの切り下げや投機的動きがあれば、世界中の秘密の潤沢な資金を持つチューリッヒの小鬼が動いているのではないかと、この名前が使われました。

 相場の動きが分からない時でかつ大きく動けばこの鬼のせいにしているようです。守秘義務がありますので確かめることも出来ませんのでかえって使いやすい言葉になっているのでしょう。
今は小鬼よりヘッジファンドのほうがわけがわからない相場の解説に使われていますね(実際は日本の実需が出ていることも多いのですが小鬼、シカゴ筋、ヘッジファンドという名前を出すほうがウケがいいようです。)。

投稿: ID | 2006年5月17日 (水) 午前 10時06分

こぎれがらす様

 セミナーご苦労様でした。
伊庭さんは今 旬ですから、もっと面白い打ち合いや生々しい話も今後も聞ければいいですね。第一線中の第一線ですから。
 
 為替のトレーダーの仕事は銀行の業務とはまったくかけ離れています。何も関係のない業種の人もすぐに儲けられるかどうかはわかりませんが、すぐに始められて実際銀行でディーラーやっている人もいます。二択というか○×の単純なゲームですから。だからあまり材料を複雑化して難しく考えずに需給中心に考えています。買いが多いのか売りが多いのかだけです。

 ご健闘をお祈りします。

野村

投稿: ID | 2006年5月17日 (水) 午前 10時18分

Mercy様

1 今は殆どありませんが、サプライズなニュースで市場にプライスがなくなる時や、またシドニー市場も機能していなかった時代には東京市場で誰かが建値するまでプライスがわからない時がありました。モニターもないし、参考にするレートもありませんでした。85年からは3年間は1年40、50円 円高でもっとプライスが消えることが多かったです。

 そういう時に、マーケットメーカーは自分の相場観で建値をしなければなりません。マーケットメーカーは相場を聞かれた時に「今ありません」とはいえないのです。しかしそういう時は相手のほうがあせっているのです。度胸よく適当にエイヤで出します。不思議なことに、市場はそれについてきてその建値を中心に相場が形成されていきます。それがマーケットメーカーのプライドです。

 かつての外為専門の東京銀行はドル円でのマーケットメーカーでしたが、ドルマルクではそうではありませんでした。ほんの僅かな銀行しかそういう役割を果たしていなかった筈です。

 ただマーケットメーカー同士は常に相手に聞かれたらプライスを出さなければなりません。そうしないと男がすたるというものです。そうやってプライスを出し続ける人がいるといつかは他の市場参加者も買いや売りオーダーを出し始めて、市場が落ち着いてきます。
そこまではリスクをとるわけですが、もちろん自分で市場を作っていくので、醍醐味はあります。

 でも今はEBSという電子ブローキングで世界中の誰かが常に注文を入れているのでマーケットメーカーという言葉も忘れられていっている気がします。ディーラーは買いが1本しかなくても50本をお客から買わされる時もあります。第一線では為替は1本ずつつなぐ相対でやっているのではありません。

 気配値が110円10銭ー20銭でもお客が大きく売りたそうで、2WAYを聞いてきた時は109円の50-60と出す時もあります。もちろん、それでもカバーできないようなドル売りが強いときもあります。逆にそこで60銭をマインされておおやられ するときもあります。

 しかしマーケットメーカーは普段は相場の流れもよくわかり、いろいろ特典もありますので、一瞬では大きなリスクを負いますが、1年ならせば儲かると思います。儲からないとこんな仕事は固い銀行がやるわけはないですから。

 ディーリングルームを見学できれば一目瞭然ですが、話すと長くなりそうなのでこのへんで。外貨証拠金の業者はそのようなマーケットメーカーではありません。銀行につなげるからです。またその銀行はまた他のマーケットメーカーをラストリゾートとするわけです。ラストリゾートがプライスがありませんというのは、どんな事態でも恥ですが、状況で50銭幅で出す時もあります。

 全員が売り予想とかはあまり気にしていません。予想する人の多くは実際ポジションをもっていないからで、それはやはりポジションがわかるような、あるいは示唆するような数字を参考にします。本当に輸出が売り切って当面売るような玉が無くなればそれ以上さがらないと思います。予想屋さんの意見とは関連性はないと思います。

 2. 基本的にはまったくそうなので、
ドル円は300円から100円になっています。戦前は貿易赤字だったので1円から4円へ向かったと思います。

 ただその中のブレで儲けようとするので、いろいろ難しくなると思います。いわゆるマーケットノイズでも儲けるわけですので。去年のHIAもブレの一つだと思います。もちろん介入が出てフリーフォールを避けます。金利差などの話も実際に30年も持つ人ばかりなら有効ですが、金利を理由にして買うのに、あまりにも短い時間で元に戻す人が多いので今年のような展開となっていると思います。資本取引は多くは売り戻し、買戻し付ですので経常収支の売り切り買切りとは異なる影響があります。

 小鬼が買い戻せば同じレートに戻るかどうかは回答が難しいですね。これも書けば長くなります。

 野村

投稿: ID | 2006年5月17日 (水) 午前 11時35分

 小鬼の話、自分の質問ではありませんがマーケットメーカーの話、たいへん興味深く拝見させていただきました。
 授業でも教科書より先生の雑談の方が好きだった口で、豆知識的な話が楽しいです。現場の雰囲気もかじれるお返事ほんとに感謝しています。

投稿: どろっぷ | 2006年5月18日 (木) 午後 02時12分

この記事へのコメントは終了しました。